【曖昧ベッドルーム】第二話
作画:@__ya_su_na__
原作:@muyamiyamu
彼の手の温もり、跳ねた髪先、薄い香水の匂い
今は私だけの、だと勘違いしそうになった。
勘違いさえさせてもらえなかった。
不意に触れた私のじゃないピアス
何も言えない、言っちゃいけない
この部屋にはどうしても居られなくて
私は食べたくもないアイスを買いに出かけた。
外はまだ冷えた風が居座っている。
ハルは来ない、私には。来てくれない。
この恋めいた何かに賞味期限があればいいのに。
もう食べられないね、お腹壊しちゃうね、
捨てようか、と簡単に放ってしまいたい。
食べたくもないアイスを買った。
嫌味なほど賞味期限は長かった。
溶かして捨ててしまおう、そう思いながら
違う味の2つをレジに運んだ。